腎盂炎とは、腎臓と尿管の間にある腎盂という器官が細菌により感染し、炎症を起こしている状態で、腎盂腎炎とも言われます。細菌感染による膀胱炎になった時に、何らかの原因で細菌が尿管をさかのぼり、腎盂に細菌が達してしまうことで起こることが多いようです。腎盂炎は、男性よりも、女性の方が発症が多く見られます。尿道の短い女性は、外部からの菌の侵入がしやすく、そのため、膀胱炎にもなりやすい状態です。膀胱炎を放っておくと、膀胱内で増殖・感染した大腸菌などの細菌が、さらに内部の尿道を伝って腎盂まで感染し、腎盂炎を起こすので、膀胱炎の治療をしっかりとすることが大切です。
腎盂炎は、急性と慢性があり、急性腎盂炎の症状は、38℃以上の高熱、背中やわき腹の痛み、腰痛、悪寒、むかつき、嘔吐などがあります。また、頻尿や残尿感、排尿時の痛み、混濁尿や血尿など膀胱炎の症状がでることもあります。慢性腎盂炎は、微熱が続き、頭痛や腰痛、倦怠感などが出てきます。腎盂炎の治療には、膀胱炎と同様、抗生物質や抗菌剤を内服や点滴、注射などを使用します。また、症状によっては、消炎鎮痛剤などを使う病院もあります。急性腎盂炎の場合は、入院になることもあります。治療を始めて、4日から1週間程で症状は落ち着きますが、目には見えない検査値などで、腎盂炎の症状がでている間は、治療が必要です。
腎盂炎になってしまった場合は、水分を多めに摂り、排尿を我慢せず、たくさん尿を出すことが大切です。また、唐辛子やアルコールなどの刺激物の摂取は控えます。体力を回復するために、安静にしましょう。腎盂炎は再発しやすい病気です。早めに治療を受け、長めに安静にし、しっかりと治しましょう。