膀胱炎が女性に多いのは、女性の身体の構造が深く関係しています。膀胱炎は、女性は必ず経験するといわれるほど、女性に身近な病気です。膀胱炎とは、膀胱に大腸菌などの細菌が侵入し、増殖・感染して、膀胱の中で炎症を起こす病気です。膀胱炎の症状は、トイレに行く回数が増え(頻尿)、排尿後などに痛みが出ます。排尿しても残尿感などの不快感が残り、何度もトイレに行きたくなり、重度になると、トイレから出られなくなることもあります。尿が濁ったり、血が混ざることもあります。
女性の身体は、尿道が短く、肛門や膣が尿道口の近くにあります。尿道は、男性が15センチ前後なのに対し、女性は4センチ前後で男性の3分の1程度しかありません。また、細菌が繁殖しやすい膣や肛門が尿道口の近くにあり、女性の身体は、細菌が簡単に膀胱に侵入しやすい構造になっているといえます。
膀胱炎にならないためには、水分を多めに摂り、たくさんの尿を作り、排尿することが大切です。排尿は、膀胱の中や尿道に侵入してきた細菌を身体の外に洗い流す役割もあるからです。ところが、女性は排尿を我慢してしまう時間が長いといわれています。そのため、膀胱の中に侵入してきた細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎を引き起こしやすくしています。保育士や接客業をしている女性は職業柄、排尿を我慢してしまう傾向にありますが、なるべく我慢せず、こまめにトイレに行くことを心がけましょう。
女性の身体の構造上、膀胱炎になりやすいのは、どうしようもありません。膀胱炎にならないためには、予防することが大切です。女性は、肛門と尿道が近い場所にあるので、排便の時も注意が必要です。排便後は、前から後ろに拭くようにします。排便後の拭き取りが不十分な場合、膀胱炎の原因菌とされる大腸菌が尿道から侵入しやすくなります。
おりものシートや生理ナプキンをこまめに取替えましょう。長い時間交換をしないと、シート上で繁殖した細菌が侵入する可能性があります。また、性行為の後に排尿をすることを習慣づけることで、性行為によって侵入した細菌を、排尿で体外に洗い出し、膀胱炎の予防になります。膀胱炎は、軽い場合は、水分を多めに摂ったりすることで、自然に治っていくことが多いですが、症状がひどくなってきた場合などは、腎炎などの病気に発展する可能性がありますので、早めに病院で診察を受けることも大切です。